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(ぼんやりと遠くを見、気が付けば犬、猫だけでなく、鳩や雀も己の周りに集まっており)…あら?…なんか、増えてる…(動物に好かれる覚えもないのだがと立ち上がると、バサバサと鳥たちが飛び立って。猫が己の肩へと飛び乗り、犬が歩き始めれば己もその後を歩き出して。しばらくふらふらとしていると、一升瓶を抱き、豪快に寝ている男がおり。黒犬が尻尾を振っているのを横目で見ると、ハァァと溜め息をつき、その男の元へと。ベンチをガンガンと蹴り、男を起こそうと)…千影…何してんの?(己の仕打ちに迷惑そうに起きた男が「もっと優しく起こせねぇのか……ん?リュウちゃん?おやおや、なんだって久しぶりだな。あのクソじじぃ生きてる?」頭をガシガシと掻き、緊張感もなく話してくる男にこんなヤツが『十兄弟の師匠』兼『親代わり』かと思うと再び溜め息をつき。そして、何よりも)…久しぶり、元『]』の千影さん。あんたが『子育てするから辞める』って突然いなくなったから、最年少で『ナンバー』になりましたよ。ほんと、ムカつく。うちの師匠はあんたの父親らしく、イー加減な男でね、連絡取れねぇんだわ。逆に生きてるか聞きてぇわ。(ぶつくさと文句を告げるも、男は全く気にもとめず、黒犬をなで回し「黒衣ぃ〜。久しぶりだなぁ。立派なワンコになって」と)…あんたの知ってる黒衣は死んだよ。今の黒衣はその子供。ねぇ、千影、ちょっと、聞きたいことがあんだけど…(犬と戯れる手を止め、こちらを見てくる男と視線を交わすも「今はただの親父だ。聞きたいことは若いヤツに聞け。それとも俺のスリーサイズか?」軽く返してくる言葉に目を細めるも、肩を竦め)…うちの『姫』…『螢』を見かけたら俺に知らせて…そんだけ…(ぶっきらぼうな言い方をして告げれば「ほーちゃんの為か?でも、ホタルちゃんはハチが嫌いだからな…」)…滸は俺の全部だから…アイツの頼みじゃなきゃ、あの女がどこで野垂れ死のうと知ったことじゃねぇよ。ハチだってそうだよ…(己の言葉に、男の大きな手が己の頭に乗ればそれを払い)…子供扱いするな…
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