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敢えてそうした、か。俺にゃ到底出来ん真似だ。…不器用だからな。(己とてしょうばいには全くと言っていいほどに商売には向いておらず今更変えられるほど器用でもないために相手のことを本気で感心し、名前の由来やら読み方への考えも相手らしいと苦笑にふしてくの字に曲げた足の膝に肘をのせ頬杖をついて)まああれだ、最初は同じ読みでも紫苑て花の名を着けるつもりだったらしいから、それよりゃましだろ。…だが何もよその国の地名を着けんでもな。イスラエルだったか…何だかそっち方面の名らしいが…あ、こら!(相手の正面にある『兼光』の箱を叩く相手に思わず身を乗り出してやめさせると箱を手に取り膝に乗せ封を解き、中から取り出すと以前相手に譲ろうとして置いていかれた今は主のない刀がキンと耳に聞こえぬ澄み渡るような音をたてて)なにがねだか俺にはどうでもいい話だが、純粋にお前ってヤツの価値が分からんような唐変木の言うことなんざ耳を貸す価値もねえ。(単に名などどうでもいいと相手の正面に価値は名ではないと告げたいのだがつっけんどんな言い方しか出来ず、兼光を鞘から抜き放ち切っ先天へと向けて光に翳して煩いほどの『声』に眉をひそめ)
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