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「店長……じゃなくて御大将さん。こんにちは」 行儀よく頭を下げて挨拶をしたあかり。彼女の姿を見てギムは口角を上げた。 「貴様は京子の友人であったな。名前は……」 「あかりです。赤座あかり」 「ふむ、確かそのような名前であったな」 かっかっかっ! と快活に笑うギム。あの反応だと名乗った事を忘れたのだろうとあかりは苦笑する。 「で、今日は何か買いに来たのか?」 ギムが不敵な笑みを浮かべて尋ねてきた。 「ああ、いえ……京子ちゃんを探しに来たんです。ここに来てるみたいなんですけど居ますか?」 「ふむ、そうだったのか……だが、残念だったな。奴ならさっき出ていったぞ」 「そ、そうなんですか!」 どうやら行き違いになってしまったらしい。 全速力で走ってきたのにこんな結果になってしまいあかりは肩を落とした。 「あいつに何か用があったのか?」 「はい……昨日買ってもらったガンプラ。完成したんで京子ちゃんに見てもらおうと思って……」 「ほう。もうできたのか……で、作ってみた感想は?」 「はい。すっごく楽しかったです!」 落ち込んでいたあかりは作っていた時を思い出し明るい笑顔を向けて返事をする。 「それは何よりだ。ガンプラは楽しんだもん勝ちだからなぁ!」 あかりの返答に満足したのか、ギムは上機嫌に笑う。 「良ければ見せてはくれまいか、貴様の作ったジムをーーー」 「え?」 あかりは面食らった表情になる。 まさか見せてくれと言われるとは思わなかった。 一番最初に京子に見せ上げたかったけれど、ギムにもお世話になったから別に見せても構わないだろうと鞄からガンプラの箱より小さな箱を出してレジの上に置いた。 開けるとそこにはタオルが詰められていてあかりはガンプラが壊れないようにクッション代わりに入れていたのだ。タオルを取ってジムをギムに見せる。
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