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あかりはその言葉を初めて聞いた。 当然わからない。そんなあかりの様子を察してか女性はくすりと笑う。 「知らないようね。ガンプラファイトっていうのはその名の通り……ガンプラで戦う競技よ」 「ガンプラで戦う競技っ!? そんなのがあるんですか!?」 「なんだ……知らなかったのか、京子が大会に出ると言っていたからてっきり知っていると思っていたぞ」 意外そうにギムが言う。あかりはギムに顔を向けて頷いた。 「あかりはてっきりガンプラの出来を競い会うコンテストみたいなものかと……」 「そうだったのか……あいつめ、新兵には詳しく説明しろと説明したのに……」 腕を組んで唸るギム。 どうやら彼は京子がガンプラファイトの大会に出場するのを知っていたようだ。 「ガンプラファイトを知らないなんて勿体無い……そうだわ!」 女性はポンッ! と手を合わせて微笑むとあかりの右腕を掴んできた。 「私がガンプラファイトを教えてあげるわ。店長。店の奥を借りるわね」 「うむ、良かろう! 何事も経験が大事だからな! それと、店長ではなく御大将と呼べっ!」 声を大にして叫ぶが女性はスルーしてあかりを引き摺りながら店の奥へと進む。 「あ、あの! あかりは別に教えてもらわなくても……」 「いいのいいの。お姉さんが教えてあげるわ。全て私に任せなさい」 (あうう〜……大変な事になっちゃったよ) あかりの意思とは関係なしに店内の奥へと引き摺り込まれてしまった。 奥には隔離するように別の部屋が一室あった。女性がドアを開けて中へ入るとそこには六角のテーブルが複数繋がった黒いテーブルだけが置かれているのみだった。
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