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親切丁寧に説明をしてくれるおかげで初めて体験した出来事にも戸惑わずにいられる。 あかりが二つのコントローラーに触れると装置から再びプラフスキー粒子の光が溢れでる。 「わあ……」 次に起きた光景にあかりは目を奪われる。 何もない黒一色だったテーブルの上に突然白一色の雪景色が広がっていたのだ。 「フフ、驚いてるようね。これもプラフスキー粒子の恩恵なのよ。装置内の映像をホログラムとして投影してるの。乗ったり触ったり出来るけど……もちろんプラモデルだけね」 「こんな事が出来るなんて……あかり知らなかった」 まるでこの場所だけ未来技術で作られたような錯覚を受ける。 それだけこの装置はあかりに衝撃を与えた。 「早速動かし方を教えるわね。左のコントローラーを好きな方向に動かしてみて」 「こう……ですか?」 あかりは左のコントローラーを少し前に傾ける。 するとジムがゆっくりと足を動かして動いてみせた。 「動いたっ!? 動きましたよ!」 「ええ、そうね。ちなみに大きく傾けると走るのよ」 今度は大きく傾ける。 それに合わしてジムが雪原を駆ける。一歩進む事で雪にジムの足跡がくっきりと残った。 あかりはジムを操作して自由にフィールドを移動する。自分で作ったガンプラが動いて言い様のない感動を感じている。 「凄い! 楽しい……面白いですよこれ!」 「喜んでくれたようでそろそろ……」 女性の口が不気味に歪む。 自身のガンプラを動かしてジムの前に踊り出ると、彼女は右のコントローラーを動かし、人差し指でボタンを押すような仕草を取ると彼女のガンプラが背負った砲台からビームが発射される。 「うわあっ!」 直撃を受けたジムは姿勢を崩して後方に倒れる。 すかさず相手のガンプラがジムにのし掛かってきてその身動きを封じた。 「な、何をするんですか!?」 「何って、ガンプラファイトに決まってるでしょ」
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