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本当に悪いと思ってるのか、舌を出しながら謝ってくる。 それはほっといてあかりは話を進めた。 「次に煙幕出されるまでじっと耐えてて……攻撃のタイミングはあかりがするから」 「オッケー!」 レッドフレームはシールドを構えてその場から一歩も動かないでいる。 すんなりあかりの指示を受け入れたのは幼馴染み故の信頼から来るものだろう。 「あらぁ。諦めたの……じゃあ、いたぶってやるわ!」 容赦なく攻撃を仕掛けてくる。京子はあかりの指示が出されるまで防御の姿勢を崩さない。 あかりも早く煙が晴れろと願いながらも緊張していた……もし、自分の思い違いだったら京子が負けてしまう。自分の為に戦ってくれているのにそれを見るのは嫌だった。 そうして何度目かの攻撃で煙が晴れ、煙幕がまた張られる。 「そろそろトドメを刺してあげるわ!」 バクゥハウンドが飛び掛かってくる。あかりの読み通り『右から』ーーー。 「京子ちゃん! 右から来るよ!」 「待ってましたぁ!」 防御を解いて右方向からやって来たバクゥハウンドに回し蹴りを叩き込んで吹き飛ばす。 「なっ!」 女性は顔を驚愕に染めて目を見開いた。 自分の愛機が地面を転がっていく。起き上がろうとしたが、レッドフレームのビームを連続で浴びせられて思うように立ち上がらない。 気づけば耐久力がレッドフレームより下回っていた。 「これで決めるっ!」 腰の鞘から一振りの刀を抜き、手に収めてブースターを噴かせながらレッドフレームが迫る。 「ひいっ! ちょっ待って許して腹躍りでも何でもするからぁっ!」 「やなこった!」 無様な命乞いも聞き入れず、バクゥハウンドに至近距離まで近づいたレッドフレームは刀を腹部に突き立てた。 それと同時に試合終了のアラームが部屋に響き渡った。
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