コピー
▼本文
フィールドが元に戻り。女性は焦点が定まらない瞳で仰向けになったバクゥハウンドを見ている。 自分の敗北を受け入れてないようだ。 「さぁて、約束通り勝ったからあかりに謝ってもらうよ」 京子の声で女性はそちらに目を向ける。 確かに試合中そんな約束をした……それは自分が負ける筈ないと自信があったからだ。 だが、負けたからその約束に従わなければならない……女性は唇を強く噛んだ後。 「……いいわよ」 視線を京子のレッドフレームに向けて不気味に笑った。 すると彼女はレッドフレームに手を伸ばしーーー。 「なぁんてねっ!」 あかりのジムと同じく地面に叩きつけてヒールで踏みにじった。 「ああっ! 私のガンプラがっ!?」 「ひゃははは! 謝るなんて嘘に決まってるだろぉ。ばーか!」 そんな捨て台詞を残して女性は部屋から出ていく。 「京子ちゃん、あの人逃げるよ!」 「逃がすかっての! 追うよ、あかり!」 あかりは頷く。 二人は逃げた女性を追って部屋を飛び出し、店内にいないとわかると外へと出ていったのだった。 ◇ 「……見つからなかったね」 数時間後。 二人は月光蝶に戻ってきていた。 あかりが落ち込んだ様子でいるのは女性を見つける事が出来なかったからだ。 「お前達……何があった?」 店内に入るなりギムが聞いてくる。 カウンターの上には二人の壊れたガンプラが置いてあった。 彼も薄々気づいている様子だったが、二人はファイト中に起こった出来事を彼に話す。 「そんな事が……奴め。初心者狩りだったのか、性根の腐った奴め……」 「あ、あの……こういう事ってよくあるんですか?」
スレッドへ
日間
週間
月間