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ジュノから「ガガを回収した」といった旨の通信が入ると、ユーナは「カルバニア島、グライド要塞跡地で待つ」と告げて去っていった。 俺たちは現在、ロールの運転するフラッター号に乗って、カルバニア島に向かっている。 ロック「…本当にいいの?」 VAVA「何がだ」 ロック「そのつもりは全く無かったとは言え、君は人間を助けるための組織に属していた。その君が人類を滅ぼすなんて…」 VAVA「後半ブーメランになってるぞ」 ロック「う」 VAVA「いいか、ロック。俺は救世主(エックス)にも英雄(ゼロ)にもなる気は無い。いつだって俺は、俺のやり方で、やりたいようにやってきた」 VAVA「俺は悩まない。目の前に気にくわないものがあるのなら、それをぶっ潰すだけだ!」 ロック「……」 VAVA「そう言うおまえこそ覚悟はいいのか?」 VAVA「事情はどうであれ、おまえがかつてやろうとしたこと、これからやろうとしていることは、シグマ――人類滅亡のきっかけとなったイレギュラー戦争の首謀者と差して変わらんのだぞ」 ロック「…っ!」 ロック「そう、だね」 ロック「でもだからって、僕にはロールちゃんたちを見捨てることはできないし、マスターを裏切ることもできない」 ロック「だから、今度こそシステムを破壊する!」 VAVA「……」 これが、システム史上最大のイレギュラー。確かに人類側から見ればそうだろう。 だが、デコイ側から見ればこいつは間違いなく救世主であり英雄だ。 この男は、エックスも、ゼロも、シグマも肯定し、同時に否定している。
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