コピー
▼本文
はっきり言って、戦況は俺の方が不利だ。『俺』には空が飛べるというアドバンテージがある。 VAVA「上からバカスカ撃ちやがって…!」 VAVA.X「全部ぶっ壊すんだ。狙う必要はないだろぉ!」 そう言って『俺』は無差別にショルダー・キャノンを撃ちまくる。どうにも『俺』のショルダー・キャノンは細工がしてあるらしく、銃口から最大五発のエネルギー弾が扇状に広がって発射されていた。カメリーオの尻尾から放たれるビームに似ているが、そこは『俺』。威力は桁違いと見ていいだろう。 VAVA.X「どうした? 逃げてばかりじゃ勝てないぞ?」 VAVA「……」 それはそうだろう。だから、攻撃できるタイミングを探している。 いくら俺よりイカれているとは言え、『俺』にもそれぐらいわかっているだろう。 俺が『俺』の攻撃を食らうのが先か、『俺』が攻撃が当たらずしびれを切らすのが先か、そこが勝負の分かれ目だな。 …仕掛けるか。 VAVA「ところで……おまえはエックスと戦ったのか?」 VAVA.X「ああ?」 VAVA.X「ああ、戦ったさ。あの野郎、何年経っても変わりゃしねえ。悩んでばかりの意気地無しだった」 VAVA「…その意気地無しに負けた俺たちは、何なんだろうな」 VAVA.X「知るかよ! そんなことは今はどうでもいい!」 VAVA「それこそ逃避だ」 VAVA.X「何だと…」 ぴたり、と『俺』の攻撃が止まる。 俺はレプリロイド。悩むことなどない。 厳密には、悩んだとしても電子頭脳が最良の答えを出すから、悩み続けることができない。 それは、言い換えれば『何度同じ疑問にぶち当たっても同じ答えしか出ない』ということだ。
🔙スレッドへ
日間
週間
月間