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くろつぐみさんに1票。 このバトルで先攻のパウリさんの出したテーマが「猶予72時間をどう使うか」、そしてパウリさんの一つの回答は「猶予をフルに使って推敲するべきだ」ということでした。ここからはその点に基づいてくろつぐみさんへのディスを展開していきました。しかし、パウリさんのテーマを実証するためには、論理的な証明を試みるか、あるいは実際に推敲した結果すばらしいバースが書けたということを見せなければなりません。ある意味とても高いハードルを自分で設定してしまったがために、文法的には間違ってはいないが不自然な表現などが気になってしまいました。たとえば1バース目では「熱を堆く置く」「駒がメタファーに蔓延」あたりが、韻を踏もうとしすぎて不自然になってしまった例です。熱は置くものではないし、「メタファーに蔓延」も標準的な語法ではない。このあたりで、もっと自然で巧妙な韻が追求できたのではないか、と、推敲不足を感じてしまい、その点で、この議論が相手に有利な状態で始まってしまいました。 そして相手のくろつぐみさんは軽快かつ自由にライムしながら、「俺が目指すものはレストアでは無くピーキーな不完全」「楽しいだけじゃ勝てない中で/だが楽しく無けりゃ屍」と、シンプルに自分の立場を表明しつつ反論しています。また、技術的にそれほど落ち度のない状態で1バース後攻が終わり、以後はパウリさんが揚げ足を取りつつも、くろつぐみさんの「楽しさ」を崩すことができなかった、という展開に見えました。 相手が口喧嘩に乗ってこればディベートでの勝負に持ち込めるので、論破した/しないで勝負が付きますが、そうでなければ、いくら口論しても相手に致命傷を与えられない。となると、ライムスキルや表現力、ユーモア、熱さといった、論理的整合性とは違った次元で判定することになります。そのような、表現やユーモア、自由さと言った点で、終始一貫して楽しげにライムしていたくろつぐみさんに1票です。
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