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「全然」 「ええ〜……」 京子は全く気にしていない様子だった。 全身の力が抜けてへたり込んでしまう。いままで走り回っていた疲れがここにきて一気に押し寄せてきた。 「む、こいつはお前の知り合いなのか?」 あの難いのいい男性が眉根を歪めて京子に質問してくる。 「うん、そだよ。わたしの幼馴染みなんだ」 「ほぅ……そうなのか。で、こいつはガンプラ作るのか?」 「まだ。これから始めるところだよ」 「あ、あの……京子ちゃん」 「ん? なに?」 平然と会話をしている京子にあかりはある質問をしてみる。 「この人と知り合いなの?」 そう問うと京子は「ああ」と言って彼の自己紹介を始めた。 「この人はギムさん。ここ月光蝶の店長さんだよ」 「て、店長さん! そうとは知らないで怖がってすみません!」 即座に立ち上がってあかりは頭を下げた。 するとギムは口角を少し上げて首を横に振った。 「気にするな、そんなに気にしていない。強面のは生まれつきなものでな……」 「は、はぁ……そうなんですか」 顔を上げてギムの顔を見る。 生まれつきこの顔って凄いなとあかりは思った。 「ところで小娘よ。前から言ってるだろう……俺を呼ぶ時は店長じゃなく、御大将と呼べとな!」 不服そうに京子を見るとギムは拳を握って言い放った。 京子は苦笑をしながらこめかみを掻いた。
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