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まず会場に付いた型月の目に映ったのは、大勢の人々──。 「うお!?型月だ!!」 「やべークッソ久しぶりに見た!!」 「頼むぞ型月ー!!!」 型月「(いやさすがに騒がしいな・・・)」 困惑する型月にポータル運営の四人が近づいてきた。 ラフィン「ずっと使われてなかった場所でしたが・・・なんとか電気系統も復活させましたよ(笑)」 たちの「そのカッコ、懐かしいすね(笑)」 越境「いざ決戦、って感じですか・・・」 キャラバン「ステージ上の確認をしましたが、確かにそれらしいタブレットはありました。 どーゆー仕組みなのかはわかりませんが・・・恐らく、『入力開始』というところをタップすると右上にあるタイマーが作動するような、シンプルなものかと・・・」 型月「・・・・・・・・・。」 たちの「どしたんすか?」 型月「いや、なんでもない。・・・・・・よし、行くか。」 この時、型月はわずかな不安を感じていた──。 用意したリリックに妥協はない。自信もある。 が、考えている時に痺れるような感覚──、言わば『自分自身が感じたパンチライン』のようなものが無かったのだ。 型月「(あと少し、あと少しで何か大きな衝撃が生まれそうな予感がする──。)」 しかし、時間は立ち止まりはしない。 大規模な大会でもそうだが、【猶予】は絶対であり、型月自身も過去に何度も歯がゆい思いもしている。 型月「・・・いや、それでも俺は勝ってきた。」 口にしたその一言は独り言でもあり、皆が言う【強者・型月】が実際に積み上げた実績である。 型月はステージに上がり、観客が居る方をまじまじと見つめた。 皆は固唾を飲んで見ている。 キャラバンが言うように、タブレットには『入力開始』という部分と右上にタイマーが表示されていた。 型月「ふぅ・・・・・・」 そして──、型月の指が入力開始ボタンに触れた。
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