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「また負けたぁ……」 いい結果が残せなかったさやかは肩を落とす。 「前から言ってるでしょ。あなたは大振りの攻撃が多くて隙が出来やすいって……」 「わかってるんですけど……つい」 「つい、じゃないわよ……チーム戦なら仲間がその弱点を補ってくれるでしょうけど、一対一の時は命取りになるわよ。ちゃんと克服するように」 「はーい」 「……」 幸樹は二人のやり取りを不思議そうに見ていた。彼の視線に気づいたアーシェが視線を返す。 「何よ、ジロジロ見ないでくれる……」 「あぁ、すまん。何かお前ら見てると師匠と弟子みたいだなぁ〜ってさ」 「弟子って……私はそんなのとった覚えはないわよ」 アーシェは肩を竦めた。すると、さやかは目を見開いてアーシェを見る。 「えっ! あたしそのつもりだったんですけどっ!」 「え、ちょ……初耳なんだけどっ! 勝手に弟子になんないでくれるっ!?」 「そんなぁ……アーシェさんにとってあたしは何なんですかぁ〜」 「それはその……」 目を背けてごにょごにょと呟くアーシェの顔は赤い。 「仲いいな、お前ら」
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