コピー
▼本文
二人のやり取りを目の当たりにして幸樹は、クスクスと笑う。 「そりゃそうですよ。あたしにとってアーシェさんは恩人で尊敬する師匠ですから!」 「い、言い過ぎよ……私は何もやってないのに」 「またまたぁ〜……」 さやかはニヤニヤしながらアーシェの脇腹を小突く。 好意的に接してくるさやか。真矢が言う通り……彼女はこちらの戦力を探りに来ているのか、幸樹の胸に蟠っていた。 だから、その疑問をぶつけようとする……もとよりそのつもりで来たのだから。 「なあ、君は俺達の戦力を探りに来たのか?」 「へ?」 幸樹の口から出た質問にさやかは目を丸くした。 アーシェは眉根を歪めて幸樹に詰め寄る。 「ちょっと……いきなり過ぎでしょ、タイミングってのを考えなさいよ」 「いや、こういうのは早めに聞いた方がいいだろ」 「そうなんだけど、これで相手が機嫌を損ねたら……」 「えーっと……」 さやかはこめかみを掻いた。背後からした彼女の声に二人は肩を跳ね、恐る恐る振り向いた。 「もしかして……幸樹さんはあたしがスパイかなんかと思いで……?」 「あ、いや……彼が言ったことは……」 「あ、いえ。いいんです」 さやかは右手を上げてアーシェの言葉を制した。 「幸樹さんの言うように……他校の相手がいきなり接してきたらそう思います。でも、あたしは……そんな気持ちはそれっぽっちもありません。あたし、他のメンバーにこのことは言ってないんで」 「そうなのか?」 幸樹が目を丸くして言うと、さやかは微笑みながら首肯した。 「あたし。他のメンバーより上達遅くて……どうやったら上手くなれんのか悩んでたんですよ。そんな時にアーシェさんとかおるこさんに出会って、二人がガンプラファイトをしてるって聞いて……実際戦って思ったんです」
スレッドへ
日間
週間
月間