コピー
▼本文
さやかはアーシェに視線を寄越して続けた。 「この人から学べば強くなれるって、強くなって皆の役に立ちたいんです」 「そうだったのね」 さやかの真意を聞いたアーシェは、幸樹に視線を向けて口を開いた。 「鳴海くん。さやかの言葉は信じられるわ……この子の目、嘘ついてるように見える?」 「いいや、見えないな……」 幸樹は肩を竦める。彼もさやかの本心を聞いて彼女が嘘をついているようには見えなかった。 「疑って悪かったな美樹……」 「いいんですよ。気にしないでください」 さやかはにっこりと笑って返した。 「じゃあ、さやか。今日から徹底的にしごいてあげるから覚悟しなさいよっ!」 「はいっ!」 さやかは姿勢を正して敬礼する。二人は再びシュミレーターに乗り込もうとする。 「あ、そういえば……」 途中でさやかは足を止めた。 「お二人は生徒会でしたよね。あの噂本当なんすか?」 「噂? なんの?」 アーシェは足を止めてさやかに視線を寄越した。 「いや、あたしも知人から聞いただけで見た訳じゃないんですけど……桜翠に出るんですよね。幽霊が……」 「「……え?」」 さやかの口から出た噂にアーシェと幸樹は顔をひきつらせた。
スレッドへ
日間
週間
月間