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ジララ「そうか。何処とも知れぬ場所で目覚め、自分の名前もわからない、と」 ジララ「しかし、腹の虫をそのまま仮の名前にするというのは安直すぎじゃないか?」 カラカル「しょうがないじゃない、他にいい名前が思いつかなかったんだから!」 キュルル「僕はこの名前、気に入ってるよ。何か、妙にしっくりきたし」ニッコリ カラカル「そ、そう?」 キュルル「…でも、どうしてキルルは僕を狙うんだろう?」 ジララ「何? キルルがおまえを狙うだと?」 キュルル「うん」 カラカル「ずっと追いかけてくるのよ。しつこいったらありゃしないわ」 ジララ「奇妙な話だな。キルルが特定の個人を狙うとすれば、活動の障害となる存在だけのはず」 キュルル「そ、そんな。僕にそんな力は無いよ」 ジララ「…少し、調べさせてもらうぞ。暗殺兵術"鑑定眼力"」ピピピピ… ジララ「…水35L、炭素20s、アンモニア4L、石灰1.5s、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素を確認。つまり…」 キュルル「つまり?」ゴクリ ジララ「正真正銘、ただのヒトだ」キッパリ キュルル「がくー!?」 カラカル「紛らわしい前ふりしないで!」 ジララ「すまん。それで、自分の本来の家を探して旅をしているんだったな」 ジララ「しかし、少なくともこの島には、ヒトの群れが住む巣はないと聞いたぞ?」 キュルル「僕が探してるのは、あくまで僕のお家だよ。他のヒトに会いたいわけじゃないんだ」 ジララ「そうか。しかし、手がかりはあるのか?」 キュルル「このスケッチブックなんだけど……ここに書いてある絵に、見覚えのあるものはないかな?」 ジララ「ふむ…」ペラ…ペラ… ジララ「ん? これは、ゴリラの後ろ姿か?」 キュルル「知ってる場所があるの?」
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