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最終話「フレンズ」 サンドスターの火山に着くと、キルルは目の前であった。 小さな山ほどの大きさとなった巨体を前にして、ジララはまっすぐ視線を向ける。 ジララ「ここから先へは通さん!」 ふわり、とその体が浮く。実はジララは、鳥のように飛べるのだ。 彼には多くのことができた。 その鉤爪は鉄をも切り裂き、カメレオンのように姿を消し、蛇のように赤外線を探知でき、マーゲイのように声を自在に変えられる。 それが、キルルと戦う上で、どれほど役に立つのだろうか。 ジララ(それでも、負けることは許されん!) ゴオッ! ジララはキルルに向かって突撃した。対するキルルは、両腕を帯のような形に変え、鞭のようにしならせ迎撃を試みる。 ジララは持ち前のスピードと、瞬間移動を駆使してキルルの攻撃を回避しつつ接近。一気に懐に飛び込む。 ジララ「暗殺超魔術"零次元斬・月影(げつえい)"!!」ズバァッ! 巨大化キルル「!?」 先手を取ることに成功したジララだったが、ダメージを確認する一瞬の隙をついてキルルの反撃を食らって吹き飛ばされてしまう。 ジララ「ぐぅ!」 なんとか体勢を整え、着地には成功したが、衝撃で地面にクレーターができた。 巨大化キルル「!」シュルルッ! そこへキルルの追撃が来るが、ジララはこれも瞬間移動で回避する。 現状、ジララがキルルを一撃で倒せる手段は二つある。 一つは、暗殺超魔術"零次元斬・満月影(まんげつえい)"。当たればキルルさえも真っ二つになるだろう。 ただし、威力の代償として、発動までに溜めが必要となる。キルルと一対一で戦う以上、そんな余裕は無い。 もう一つは、暗殺超魔術"場吸無(バキューム)"。あらゆるものを吸い込み、消滅させる技で、本来ならもはやこれまでと悟った暗殺兵が自分の記録を抹消するためのもの。 もちろん、使えばジララもキルルも消えることになる。 ジララ(短期決戦が望ましいが……長期戦は不可避だ) 幸い、ジララは体力作りだけならこの星に来ても定期的に継続していた。持久力では、まだまだ若い者には負けはしない。
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