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自分が地味なのは自覚してるつもりだったが初対面の人間にまで言われるとなると悲しくなってしまう。 あかりが泣きそうになりそうなところで京子はあかりの肩に手を置いた。 「まあ、地味って言うのは嘘だよ。それなら初心者でも作りやすいから選んだんだ」 「……そうなんだ」 言われて箱に視線を落とす。 確かにこれと言って難しそうな造形ではないため初めてガンプラを作るあかりでも簡単に出来そうだ。 「つうわけで……御大将。これと必要な器具売ってくれ。わたしが払うから!」 「ええっ! そ、そんなの悪いよっ!」 あかりは慌てて首を横に振る。 京子はあかりに向けてにっと笑った。 「大丈夫大丈夫。今月おこづかい結構もらったし……あかりがガンプラやってくれるだけで嬉しいんだ」 「……京子ちゃん」 そう返されて何だかあかりは照れ臭くなってしまった。 「じゃあ、これとこれとこれくださいっ!」 「おうっ! まいどありであるっ!」 「あ、ちょっ! いつの間にっ!」 まだ具体的にはやると言っていないのだが強引に押し切られてしまった……結局ガンプラと作るのに必要な器具を奢ってもらい。あかりは帰路へとつくこととなった。 ◇ 「……」 あかりは自宅の自分の部屋で布団に身を預けながらガンプラの箱を両手で持ち上げながら見ていた。 「どうしようかな……これ」
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