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「綺麗に貼れた! これで頭が完成したね。よーし、この調子で頑張るよっ」 まだ頭しか完成させていないのにガンプラを作るのが楽しくなってきていた。 今なら京子が勧めてきたのも何となくわかる気がする……あかりは完成した姿を楽しみに想像しながら組み立てていくのであった。 ◇ 翌日。 「ほえ……?」 あかりは目を覚ますと目の前が真っ暗だった。 頭を上げると自分がお尻を突き出してベッドに頭を埋めながら寝ていた事に気づく。 「あかり……なんて格好で寝てたんだろう」 状態を起こして姿勢を正す。変な姿勢で寝ていたせいで腰がいたい。 重たい瞼を擦ってベッドの上を見ると先程まで顔があった場所にぐしゃぐしゃになった説明書がしかも涎で濡れている。 「うわぁ……説明書が……これは捨てないとダメだね」 つまみ上げてごみ箱の元まで歩き説明書を捨てた。 「そういえば……ガンプラどこまでやったんだっけ?」 寝落ちしてしまったせいでどこまでやったのかを思い出せない。 ベッドの上を見てみると丁度枕の横に完成されたジムが仰向けになって寝そべっていた。 それを見てあかりの眠気は覚め、枕元まで近づいてジムを手に取る。 「そっか、思い出した……あかり完成させて眠っちゃったんだ」 そのジムには武器とシールドも装着されていてバリ一つない仕上がりになっていた。 京子に言われた通り。デザインナイフで残ったバリを取ったり。ヤスリで削ったりした成果がここに出ていた。 「最初見た時はそうでもなかったけど……意外とカッコいいかも」 と、言って完成されたジムを上空に掲げて飛行機の玩具で遊ぶ子供のようにぶーんと言いながら部屋をぐるぐると回る。
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