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「ねーねー、到着までにどれくらいかかるの〜?」 『あともう少しよ』 リンがオペレーターと通信している。 聞こえてくるのは、先程の女性ではなく別の少女からのものだった。 『リンさん、見えてきましたよ』 また別の少女の声が目標地点が近くにあると告げる。 三人の視界に人気のない古びた工場の姿が確認された。 「見えた。反撃開始だね」 「はい」 三人が目標地点に到着。急停止して振り向く。 「行くよ、リン!」 「OK!」 怜とリンが専用のショットギアを顕現させて、その手に握る。 「ドッカーーン!」 リンが擬音系の叫びを上げながらトリガーを引く。 砲口から特大の粒子エネルギーが発射された。 粒子がヴァイスに接触すると爆発を起こして周囲のヴァイスも巻き込む。 「……私も!」 怜もリンの攻撃に続いた。 砲口から、リンのショットギアと同等の粒子が発射される。 これも被弾すると爆発を起こして複数のヴァイスを撃破する。 二人のショットギアの系統は『バズーカ』 威力と攻撃範囲に優れた広範囲遠距離武器だ。 リンが『サーメートサーブ』怜が『グシスナウタル』という自分の性能に合わせたものを使用している。 「吾妻楓……参ります!」 二人の攻撃でヴァイスの群れは大きく削られた。 楓が突貫していく。ヤシマを消して次に呼び寄せたのはアクトレスが近接戦闘を行う際に使用する『クロスギア』という接近戦用兵器。 楓の手に新たに顕現されたクロスギア『薄緑』は日本刀の形状をしていた。 「てやぁっ!」 薄緑を真上から振り下ろす。 薄緑の刀身は接触と同時に光粒子を発生させてあらゆるものを断ち切る。 「はあっ!」 一体目を倒してすぐに切り返し、二体目を斬る。 楓は流れるような動きで次々とヴァイスを撃破していく。 「やっぱ、接近戦やってる楓はかっこいいね〜」 「当然だよ。幼い頃から剣道をやってるんだから、今も昔もあの人は努力を怠らない。あれ全部特訓の賜物だよ」
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