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「って、遊んでる場合じゃないよ。お片付けしないと!」 ベッドの上にランナーが散乱している。このままにしておく訳にはいかないのでジムを机の上に置いて散乱したランナーを手早く箱にしまう。 「これでよしっと、学校から帰ってきたらごみ袋に入れて分別しないとね……」 あかりは机に置いたジムに視線を向ける。 「完成したこのガンプラを見たら京子ちゃん喜ぶかな?」 頭の中で京子の笑顔を想像する。 彼女だったら完成したこのジムを見たら喜んでくれるに違いない。 そう心の中で呟いてあかりは微笑んでジムの前まで歩いてジムを掴む。 「学校へ持っていこう。せっかく作ったんだから見せてあげないとね」 京子に見せるのを楽しみにしながら、あかりは学校へ行く準備を始めた。 ◇ 「ええっ!? 買ったの!」 学校の休み時間。 教室でちなつが目を丸くして叫んだ。昨日京子を探してその場の勢いでガンプラをおごられたのを話したのだ。 「うん、中々楽しかったよ。作るの」 「ふーん……あかりちゃん。すっかり京子先輩に乗せられてるよね」 「あ、はは……」 あかりは苦笑いで返す。 ちなつに返す言葉が今のあかりにはなかったから。 「そもそも……反対してたんじゃないの?」 「ううん、あかりは元から京子ちゃんと大会に出ようとしてたんだよ」 「え、そうなの?」 「うん、京子ちゃんの言う通り……ごらく部での思い出を作りたかったから」 目を細めてあかりは言う。 その言葉を聞いてちなつは複雑な表情を浮かべて口を開いた。 「わたしも京子先輩の言ってる事はわかってるよ……でも、ガンプラにかまけて受験落ちちゃうのは嫌だなって」
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