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「そうだよね。あかりもそう思うよ……」 あかりもちなつと同じで京子に受験を失敗してほしくない。 ただそれよりも強い思いが彼女の中にはあった。 「けどね。今やらなかったらきっと後悔すると思うんだ。京子ちゃん達と過ごす中学生活は残り少ないし……京子ちゃんの言う通り最後にでっかい事をやってみたいの」 あかりの言い分を聞いてちなつは肩を竦める。 「あかりちゃんって、本当にお人好しだよね……」 「え、そうかな?」 「そうだよ。そんな性格だから京子先輩に引っ張り回されるるのよ」 「だ、だって断れないし……」 あかりは頬をぴくつかせる。 彼女に聞こえないようにちなつは「そこがあかりちゃんの良いところなんだけどね」と呟いた。 「何か言った?」 あかりが首を傾げる。 首を横に振った後。ちなつは唇を動かした。 「ねえ、部活の時にあかりちゃんが作ったガンプラ見せてよ。どんななのか気になる」 「うん! 京子にも見せる予定だったからいいよ」 あかりは飛びっきりの笑顔で返した。 自分の作ったガンプラを見せる相手が増えてあかりの楽しみがまた増えるのだった。 ◇ 「ええっ!? 京子ちゃん帰っちゃったの!」
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