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ただ、ごめんなさい、と。 そして噤む、ありがとう。 そんなにも嬉しい事は無かった。 こんなにも苦しい物は無かった。 日の出のまぶしさと、 日の入りの寒い窓。 伝えたかった言葉は数多。 赦されなかった音は「あなた」。 産声を上げず 部屋に響く鈴の音が絶えず。 逢えるはずの朝は痩躯、帰る場所も今は遠く。 あなたは夜に堕ちて直ぐ、 朝を求めて廻り往く。 ただ逢える日を願い、…逢えない。 抗えぬ死を描いた女神。 ごめんなさい、ごめんなさい 君が往く夜は瞳震え 訪れぬ朝が愛しくって 出逢う前に別れる「またね」 ―――嗚咽の空はあまねく茜
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