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僕は裏庭をほじくり返していた やがて悲しい色の水が沸いて そして溢れるばかりの真っ黒い雪が降り注いで 僕の脳裏に眩しい遠い国の砂漠の太陽 行列にならんだ首を振る大将が 月夜の夜空に浮かんだ公園の鉄棒で斜め懸垂をしていた 真っ黒い感情が膨れ上がった月夜の夜 僕は思った 君には栄養が足りないのです 君は半分消えかかった身体で僕の目の前で斜め懸垂してるように見える 魚で1番悲しい金魚 金魚で1番悲しい【らんちう】 中国の更に奥の奥 悲しい金魚が住んでいると 背鰭のない姿が時の皇帝にもてはやされ 君は【らんちう】となる運命です 僕は夕暮れに金魚を追いかけ竹竿みたいな脚を土水に突き立て 僕は脚をパキパキと音を鳴らし そして僕は微笑んだ
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