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真愛はかおるこに無慈悲な一言を浴びせる。 余計に落ち込んで床にへたり込んでしまった。 アーシェは冷や汗を垂らす。 「ま、真愛先輩……せっかく立ち直りそうになったのに奈落の底に落とすような事を言わないでくださいよ」 「事実だよぉ。かおるこちゃんは来年には、生徒会長を引き継いでもらうんだからぁ〜。私を越えてもらわないと困るんだよねぇ」 言葉は厳しいが、かおるこを信頼しているからこそ敢えて厳しい発言をしている。 真愛の言葉の真意に気づいてかおるこは顔を上げる。 「ま、真愛先輩……そう、ですよね。たった一回の負けで落ち込んでる場合じゃありませんよね!」 かおるこは立ち直る。それを見て真愛はやんわりと微笑む。 「真愛先輩って意外とスパルタなのね……」 「ああ……真矢先輩は見えるんだけどな」 「聞こえてんぞ、こら」 眉間に皺を寄せた真矢が幸樹の尻を蹴る。蹴られた本人は申し訳無さそうに苦笑いを浮かべて頭を小さく下げた。 「ところで、今日の活動はこれで終わりなんですよね?」 「いや、まだだ」 ファイトも終わった事だし、今日はこのまま帰れると思っていたアーシェ。 が、真矢が否定してしまった。 「え、まだ続けるんですか……?」 「あったり前だろ。特訓なんだから一回で終わる訳ないだろ。ほら、行くぞっ!」 「え、ちょっ……いやあああああ!!!!」 真矢に掴まれてずるずると引き摺られるアーシェ。 結局この後。二時間も特訓に付き合わされてしまった。
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