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「そんなのなっても構わない。さっき言ったけど俺達が付き合ってるって知り渡れば誰も言い寄って来ないだろ」 「そうね。私もあなたに他の女の子が言い寄ってるのなんて見たくないわ」 幸樹を意識してから、彼が他の女子と仲良く会話しているのを見ていられなかった。 大好きな彼を取られる。そんな気持ちになってしまっていたのだ。 「じゃあ、見せてやろうぜ。俺達のイチャイチャぶりを……」 「うん」 夕暮れの道を二人は歩いていく。二人の影は重なるように一つとなっていた。 周りの視線など気にせず。二人はお互いの気持ちを確かめながら歩みを進めるのだった。 ◇ 翌日。 アーシェのクラスは騒がしかった。 女子の数名が彼女の周りに集まっている。全員好奇の目をアーシェに向けていた。 「ねえねえ、桜木さん。昨日の彼は誰なの!」 と、一人が聞いてきた。 昨日。二人が腕を組んで帰って行く姿を見ていたのであろう。 この展開は予期していた事。アーシェは微笑みを彼女に向けると口を開く。 「彼は鳴海幸樹……私の彼氏よ」 と言ってクラスの女子はキャーと叫びをあげた。 色恋沙汰な話になるとどうして女子はこうもテンションが高くなるのかとアーシェは思った。
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