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「先輩達ってそういう事好きですよね……」 三人のサプライズに喜びつつも、苦笑いを浮かべたアーシェ。 「はい。これ、私達がお世話になってる出版社の地図ね」 かおるこが近寄って地図が書かれたメモを手渡した。 「ありがとうございます。じゃあ、お言葉に甘えて行ってきますね」 「幸樹君によろしくね」 アーシェは先輩達に深々と頭を下げて部室を出ていった。 「青春だねぇ〜」 アーシェが出ていった扉を見つめながら、かおるこが染々と言う。 「かおるこ……何かオバサン臭いぞ」 「うん。年寄りだねぇ〜」 「え!?」 柊姉妹に年寄りと言われ、かおるこはショックを受けるのだった。 ◇ 週刊少年チャンプを扱っている出版社。 その個室で幸樹は、担当編集者と今後の展開の話をしていた。 「新ヒロインですか……」 「ええ、ここで新たなキャラクターを出すのもありだと思いますよ」 幸樹と向かい合うように座った眼鏡の女性が静かに口を開いた。 鷹匠千歳。それが彼女の名前……いもさらだこと鳴海幸樹の担当編集者で冷静沈着で厳しい事で出版社でも一目を置かれている存在。 幸樹も彼女は極力怒らせないように気を付けている。 「新しいキャラですか……」 幸樹は、頭の中で自分の作品に登場するヒロイン達の顔を思い浮かべた。 そうしていると、ふとアーシェの顔が思い浮かぶ。 「ツンデレキャラってどうでしょう……」 「ツンデレ……ですか」 「はい。金髪ツインテール。蒼眼。俺の作品にはいなかった存在ですよね」 「確かに……いませんでしたね。いいんじゃないでしょうか」
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