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「本当ですかっ!」 数秒前に思い付いた案がすんなり通って幸樹は喜ぶ。 「それにしても今回は以外と早くいい案が出ましたね。何か最近いい事ありました?」 「何でそんな事を聞くんです……」 「いえ、今日の鳴海さんは普段より生き生きしているように見えましたので……何かあったのかと」 「ああ。そうですか、実はーーー」 千歳には隠す必要もない。アーシェの事を話そうと幸樹は口を開いたが、ドアをノックする音で中断された。 「……どうぞ」 千歳がドアの方向を見て声を発すると、ドアが開いて一人の男性が入ってくる。 彼は千歳の上司だ。幸樹とかおるこも面識がある。 「二人とも、ちょっといいか……」 「……なんでしょう?」 千歳が返すと、上司の男性は続けた。 「実は出入口付近に変な子がいてね……どうも、いもさらだ先生のストーカーみたいなんだ」 「え、俺の……」 自分のストーカーと聞いて幸樹は汗を垂らした。 「ああ。相手は君の本名も知ってるんだ。どこで知ったか知らないけど……かなり怪しくてね。他の者が入って来ないようにしてるけど、警察呼んだ方がいいかな」 「そうですね。鳴海さんに被害に及ぶなら……ちなみにその人どんな風貌をしているんですか……」 「桜翠の制服を着た。しかもハーフみたいで金髪にツインテールで蒼眼っていう絵に描いたようなツンデレっぽい女の子だよ」 「なっ!?」 それを聞いて幸樹は立ち上がった。その外見に一致する人物は一人しかいない。 幸樹は急いで個室から出ていった。 「アーシェェエエエエエエっ!!!!」 最愛の人の名前を叫びながら幸樹は下へと急ぐ。 「いもさらだ君。どうしたの?」 「……さあ」 個室に取り残された千歳達は唖然としているのだった。
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