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アーシェは口をあんぐりと開けたまま固まる。 どうやら、にやついていたのを気づいていなかったらしい。 「それは……うん。いきなり見知らぬ奴がにやついて入ってきたら警戒するわな」 「し、仕方ないでしょ。よくよく思ったら、私……漫画家の恋人だし。なんかちょっと優越感が……って、それとあなたに会えるのが嬉しかったから」 「……////」 お互いに顔を赤面する。大好きな人にそんな事を言われたら、照れてしまうのは当然。場の空気を変えようと千歳が咳払いをする。 「ともかくアーシェさん……でしたか、今後は気を付けてくださいね」 「はい。えーっと……」 「鷹匠千歳さん。俺と副会長の担当してくれてる編集者だよ」 「そうなんだ。いつも幸樹がお世話になってます。桜木・R・アーシェです」 自己紹介を済ませ、短くお辞儀をするアーシェ。 「桜木……あの、ひょっとしてあなたの母親は桜木・R・レーシェさんなのですか?」 「ええ、そうです」 「これは驚きです。あの世界的ピアニストの娘だったなんて……鳴海さん。彼女とはいったいどういった経緯でお付き合いを?」 「まあ、色々ありまして……」 この間の騒動を思い出して苦笑いを浮かべた幸樹。
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