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「え、だって気になるじゃないですか〜」 悪戯っぽく笑うさやか。こいつ絶対面白がってる。と、アーシェは直感した。 「まあ、落ち着けよ。前に言ったじゃんか」 「そうなんだけど、自分に言われるのと他人に言うのとじゃ違うでしょ……」 「わかってる。言わないと帰してくれないぞ。こいつ……」 横目でさやかを見る。目を輝かせて待機している。 その手にはメモ帳とペンが握られていた。 幸樹は肩を竦めてさやかに向き直る。 「いいか、今回だけだぞ……」 「わかってますよぉ。で、どこに惚れたんです?」 「俺がアーシェに惚れたのはな……」 「ふむふむ」 「何事にも真面目に全力に物事を取り組むところに惹かれたんだ。本人は何でもないって言うけど、それって凄い事だろ」 「ああ、確かに……アーシェさん何でも完璧にこなせそうですもんね」 「それと意外と泣き虫なところ。何か守ってあげたくなるんだよ」 「ちょっ! そんな事まで言わなくていいからっ!」 アーシェは赤面してポコポコと軽めの力で幸樹を叩く。 叩かれている本人はあはは、と笑っていた。 「なるほど、そういうギャップっていいですよね。で、ぶっちゃっけ聞きたいんですけど……」 メモ帳にスラスラと文字を書いていくさやか。 ペンを止め、最も聞きたかった事を聞く。 「おっぱいは好きになったうちに入ります?」 「ぶっ!?」 さやかのとんでも発言に幸樹を叩く手を止めて、アーシェは口をパクパクとさせた。 「あ、あああぁっ、あなた何を言ってるのよ!」 「え、だってそこ気になりますよね。アーシェさんかなりスタイルいいし、ぶっちゃけうちの部長より上ですよ」 「そっちの部長のスタイルなんてどうでもいいわよ……」 アーシェは肩を竦める。幸樹がどんな返答をするか、気になって仕方がない。 「おいおい、俺が胸で他人を好きになるような人間に見えるかい?」 「実際はどうなんです?」 「結構好きです。はい」 「幸樹ぃいいいいっ!」 アーシェは再び軽く幸樹を叩き始めた。 「な、何っ! あなたわ、わわ私の胸が目当てで好きになったのっ!?」 「待て待て誤解だ! お前の性格も見た目も、スタイルも全部込みで大好きだって言ってるんだよ!」 「っ!?」 幸樹の発言にトマトのように顔を真っ赤にするアーシェ。周囲からヒューヒューと聞こえてくる。 「……ふふふ」
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