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(肌に触れる空気は冷たいものの、天候は悪くなく頭上には青空が広がる昼下がり。寒々しいコンクリートの灰色を見上げる己の格好は普段のラフな格好とは違い、真っ青のフード付きのローブ姿。フードを目深に被ったその姿は異質そのものなのだが、幸い人気がないため注目されないのは唯一の救いか。目につかない内にと早足で建物内に入り込むとそのまま階段をつかい八階へ。数ある部屋の内の一室、809号室の部屋番号を確認すると音を立てないように滑り込み)ふぅ、ここまでは成功。ここからは……っと、人が来ちゃうや(侵入に成功したことで気が弛んだか、フッと息を吐き出した所で複数の足音が此方へ向かって来るのに気が付き声を潜めた所で部屋の扉が開き。入って来た人物三人は同じ様に真っ青のフードを目深に被った姿。もう一人は赤のフードを目深に被った姿の人物で顔はよく見えない。同じ様に己もフードを目深に被った姿であるから、この場の4人には表情など分かるまいと自然に口角つり上がるもここは堪え無表情を装い、己以外の誰かが沈黙を破るのを待つつもりで。己の目論見通り、ものの数分も経たぬ内に青のフードの一人が乱暴にフードを脱ぎ捨てながら「あ゛ー、かったるい!!誰だよ、集会開くって言った馬鹿は!!俺様、暇じゃねぇんだぞ!?」と、フードの下からあらわれた目付きの鋭い銀髪に赤のメッシュが入ったいかにも柄の悪い出で立ちの男は苛立ちあらわな様子で怒鳴り。「まあまあ、少し落ち着いて下さいな勇隼。ほら、僕ら青持ち同士じゃないですか。だから、仲良くしないと駄目ですよ?」とのんびりと落ち着いた声音で宥めたのは、糸目でストレートの長い黒髪、柔らかな雰囲気を持つ男。「……夜智の言う通り。青持ち同士が争うなど、無益だ。風花もそう思うだろう?」と言葉少なに話し、風花の代わりにこの場に存在する己へ話を振った赤のオールバックが印象的な男や、夜智、勇隼と順々に視線を巡らせ)うん、そーだね。青持ちは仲良くしないとねん。ま、残念ながら俺は風花じゃないけどね。>入室
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