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「痛い……」 膝を見ると、血が滲んでい た。 「ぎゃああああああっ!」 「え……?」 大勢の人の悲鳴と爆発音。 楓が前方を見ると、広範囲 に焼け焦げたクレーターが 出来上がっていた。 楓の前を走っていた人達が どこにもいない、それはつ まり……怪物の攻撃で肉片 も残らず消滅してしまった のだ。 もし、倒れていなかったら 自分も死んでいた……背筋 が 凍り、額から汗がじん わりと浮かび上がる。 「ひっ!」 楓は気づいた。 怪物に包囲されているのを ……。 「い、いや……た、たすけ…… …」 怪物の目が光る。 先程のように運良く生き残 るなんて都合の展開は起こ らない。 自分は殺される……楓の両 目から涙が流れ落ちた。 彼女の頭に浮かぶ、死にた くないと……。 両親や大好きな姉のいる家 に帰りたい……。 「……え?」
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