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残暑も鳴りを潜めた晩秋に どうも珍しい曙の晴れ模様。 天高く透き通る空が戦ぐ 馬肥ゆるかの如く育ったお腹の子。 昨日の床に就いた頃は天辺を回るのにさ なぜか日の出と共に早く起きた。 もうすぐ二人じゃなくなる暮らし 我が家の暦に最初の春がくるらしい。 まだ人の行き交いもまばらの金曜日 ぼけた意識を清めるシャワーの水垢離。 病院じゃ二人ともまだ眠ってるだろう 予定日通りなら嫁の決戦は今日。 君の手を握れないから拳を握り締める 間も無く始まる親子の一日目。 二つの血を繋いで得る縁 一息吐き筆乗せる命名紙。 祈りが紅葉のように染まる言の葉 かつては旧暦十月を小春と呼んだ。 これがこれからなゆたと呼びかける君の名前。
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