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あかりの申し出は京子にとってこれ以上ない嬉しい報告だった。 だから京子はーーー。 「うおおおおおっ! ありがとな! あかりぃ!」 感極まってあかりに抱きついてわしわしと頭を撫でる。 「ちょっと京子ちゃん!? こんなところで恥ずかしいよっ!」 「いいの、私が恥ずかしくないからねっ」 「あかりが恥ずかしいんだってばー!」 あかりの顔がみるみる赤く染まっていく。 二人のじゃれ合いを間近でいたギムは二人がそんなに落ち込んでいないのを知って口許を緩ます。 (こいつら立ち直り早いな。結構結構……戦士としては合格点だ。さて、これをどうしたものか……) ギムは視線を落として壊れた二人のガンプラを見てから視線を前に持っていく。 「ところでお前達はこいつをどうするんだ?」 ギムの問い掛けに二人はじゃれ合うのをやめる。 京子が離れてあかりと顔を見合わせた後。何かを決めたような瞳をギムに向けてきた。 「そのままでいいよ」 「あかりも捨てずに持ち帰ります。これは初めて作ったガンプラですから……」 「そうか、なら持ってけ」 ギムは二枚のビニール袋にパーツを分けて入れ、二人に渡してきた。 あかり達が受け取るとギムは新たな質問をする。 「持っていくの構わんが、お前らガンプラはどうするんだ? 新しいの買うのか?」 「買いたいけど今月の小遣いがもう……」 「それならあかりが買ってあげるよ」 新しいガンプラが買えなくて暗い表情をした京子にあかりが言った。 すると京子には目を丸くして見据えた。 「え、いいの!」 「うん、一個くらいなら買えるから。助けてくれたお礼に……」
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