コピー
▼本文
かおるこが解りやすく説明すると、幸樹と未尋は揃って「おお〜」と感心する声を漏らした。 「シアクアンタをベースにした改造……これならいけるかもしれない」 アーシェの中で確かなイメージが固まった。後は製作に取り掛かるのみである。 早速実行する為に、真矢に頼む。 「真矢先輩。シアクアンタのパーツありますか?」 「おう。あるぜ。全部な」 そう言って真矢は、風呂敷の中をガサガサとあさって、テーブルの上にシアクアンタを構成するパーツがバラバラの状態で置かれた。 「これがシアクアンタ……本当にネコミミなんですね」 未尋がシアクアンタの頭部を見て驚く。本当にネコミミのような形状をしていたからだ。 「そうだよぉ。これはビルドファイターズトライって、アニメ作品に登場するシアって女の子が使用したガンプラなんだぁ〜」 「ああ。だからシアクアンタって名前なんですね」 真愛の説明で未尋は、シアクアンタの名前の由来を知る。 「シアクアンタをベースにするって決まったけど、具体的にどう改造するか決まったの?」 かおるこが尋ねる。アーシェは、微笑んで首肯した。 「ええ、決まりました……このイラストのお陰で」 アーシェが視線を向けたのは、兎亜と未尋が適当に描いたイラストだった。 「このイラストって……えぇ。まさか本当にそれを作るつもりじゃないでしょうね。やめといた方がいいよ」 「そうじゃないわ。このイラストの中にいいアイディアが眠っていたのよ」 「え、そんなのあったかな………」 いいアイディアが思い付くほどの要素を取り入れたつもりはなかった筈と、兎亜が首を傾げる。 アーシェは、視線を真矢に向けた。 「真矢先輩。もう1つ聞いてもいいですか、シアクアンタのバインダー……まだありますか?」 「ああ、あるよ……って、お前まさかっ!」 アーシェがもう1つのバインダーがあるか、聞いてきて真矢は、彼女がどんな改造をするのかと思い至る。 「ええ、その通りです」 (待ってなさいあかり。全国大会までに最高の機体を仕上げてみせるわっ!) アーシェは拳を強く握る。秋に開催される全国大会に思いを馳せながら、自らの新しい愛機の製作に取り掛かるのだった。 ◇ 時が過ぎた。桜翠学園生徒会メンバーは、予選大会を勝ち抜き。見事全国大会への出場を勝ち取っていた。 彼女達は静岡県静岡市のドームで行われる全国大会の会場へと足を運ぶ。 「よぉし、お前ら、いままで通りに向かって来る相手を血祭りにあげろ」
スレッドへ
日間
週間
月間