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「……杏子。相手にしない方がいいわ。どうせこの後、そんな強気でいられなくなるもの」 「そうだな、悪かった」 ほむらに指摘され、杏子は口を閉ざす。麗香はほむらに視線を向けて、にぃっと口角を上げる。 「そこのあなたは物分かりがいいですわね。準優勝まで到達する私達と途中で敗北してしまうあなた達とは……実力の差があって当然の事ですわよね」 「どう捉えても結構です」 麗香の挑発を涼しい顔をしてかわすほむら。アーシェ達が最初会った時と別人のような冷静さだ。 彼女の態度が気に入らない。麗香が目付きを鋭くして口を開こうとしたが……。 『はいはい。喧嘩は止めようね』 ステージの中央にいるMCが仲裁に入った。彼女はマイクを持ったまま、話を続ける。 『どっちが強いかはファイトで決めましょうよ。勝敗は嘘をつかないから、戦いで白黒着けなさい』 「それもそうですわね……」 MCの言葉に麗香は納得する。そして、見滝原ガンプラファイト部の面々に指を突き付ける。 「私達は、あなた達を完膚なきまでに倒してやりますわっ! せいぜい吠え面をかかないことねっ!」 「ええ、気を付けますね」 麗香の挑発に微笑み返すマミ。麗香は踵を返してシュミレーターへと向かう。 その取り巻きも、後に続いた。 『ああ、ちょっと! 指示もないのにシュミレーターに入ろうとしないでくれる……!』 MCの話を聞かず。野薔薇学園の面々は、シュミレーターへと乗り込んだ。 『あぁ、もう……。それではっ! ファイターの皆さんはシュミレーターへ乗り込んでくださいっ!!!!』 半分自棄になってMCが叫ぶ。見滝原の面々も、シュミレーターへと歩み始める。 「そういえば、お前。珍しく挑発に乗んなかったな」 杏子がさやかに視線を送る。先程の会話で彼女は一言も発してなかった。 それが珍しくて、さやかに声をかけた杏子。すると、彼女が……。 「当たり前よ。こんなところで負けらんないんだから……風邪引いちゃったまどかの為にも」 「……」 まどか。その名前を口にしてほむらは、眉をピクリと動かす。 「ほむら……。あたし、頑張るから、サポートよろしく」
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