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「……そんな」 煙が晴れ、麗香の視界に飛び込んできたのは、仲間のガンプラの変わり果てた姿だった。 「あなた達の強みは統率された陣形から繰り出される連携攻撃にあります。けれど、その陣形を崩してしまえば、こんなに脆く倒せてしまうんですよ」 マミが静かに言う。麗香は前方に視線を向けた。視線の先にはガンダムレオパルド・フィナーレと他4機がこちらを見据えて立っていた。 「あ、ありえませんわっ! こんなに簡単に陣形が崩されるなんてっ!」 麗香が悲鳴にも似た声を上げる。すると杏子は肩を竦めて言った。 「まあ、取り乱す気持ちもわからない訳でもないけどね。残念だけど、あたしらはあんたらの行動パターン全て頭に叩き込んだんだ」 「な、なんですって……」 「先輩達が卒業して、大会が始まるまでに大会で出場券するであろうチームの対処法を考えていたんです。過去の大会の資料。実際にファイトして学んだ経験。それらを生かして……」 マミは拳を固めて先の言葉を続けた。 「先輩達は優しい方達でした。私にガンプラファイトを教えてくれて、こんな素敵な場所へ連れて来てくれた方々でした……。去年、先輩は言いました。3年間、全国大会に出て一度優勝した事がないから、今年こそは優勝するって……結果は知っての通りですけど」 マミは口にする。卒業していった先輩達の無念の思いを……。 「私は……果たせなかった先輩達の夢を引き継いでこの場所にいます。今度こそ優勝すると胸に誓って、その為にはあらゆる手段を使うと……」「……そこまで覚悟を決めていますのね」 マミの口から出た見滝原中ガンプラファイト部の3年間。優勝出来ず無念に卒業していった先輩達の為にも、あらゆる手段を使って勝利しようと心に決めたマミ。 彼女の心境を聞いて麗香は……。
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