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「うん、話には聞いてたけど……こっちの人が部長なのかと……」 アーシェは京子とは別の人物を見る。赤紫色の髪を一つ括りにした少女を……。 彼女は目をぱちくりと開閉させてアーシェに視線を送っていた。しばらくして口角を上げて口を開く。 「ううん、私は違うわ。彼女とはパートナーなのよ」 「パートナー?」 「ようするにサブパイロットよ」 「ああ、そういう事ですか」 説明を聞いてアーシェは納得した。1体のガンプラに2人で共に操作するファイターも少なくはない。 「名乗ってなかったわね。私は杉浦綾乃よ。七森高校生徒会副会長をしているわ」 「ふ、副会長が大会に参加してるんですかっ!」 驚きで声を発したアーシェ。しかし、自分達も生徒会でなおかつ副会長のかおるこも参加しているのだから驚くのは今更だと冷や汗を流す。 「私は生徒会とガンプラファイト部を掛け持ちしているのよ。部員が少なかったからね……」 「……本当にごめんね。無理矢理誘って」 結衣が申し訳なさそうに眉を八の字にする。 「船見さんが謝る必要はないわよ。誘ってきたのはこいつだから……」 綾乃は京子を睨む。結衣のチョップのダメージから回復して起き上がっているところだ。 「ん、なになに? あたしの話? 照れちゃうなぁ〜。もっと誉めていいんよ」 「誉めてねーよ」 「誉めてないわよ」 勘違いをしているのあほんだらに2人は盛大な溜め息を吐いて肩を落とした。 「な、何か面白い人ね。歳納先輩って」 「でしょ。毎日が楽しいよ」 「いや、毎日このテンションで疲れるんだけど……」
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