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◇ 今度の戦いの舞台は森林エリア。周りの木々のせいで視界が悪く相手がどこにいるのかわからないので、慎重に進まなければならない。 「相手がどこにいるかわからないから、皆気をつけてね」 真愛が全員に向けて言う。 「わかってるさ、でも……それは相手にも言える事だぜ。すぐには攻撃してこないだろう」 真矢が返答する。相手の状況がわからないのは見滝原も同じ事。互いに見えない分。慎重に行動しているのはどちらにも言えた事だ。すぐに攻撃をしてくる素振りはみせないだろうと言う。 「かおるこ。何か怪しいの見つけた?」 最後尾。上空で敵を探索しているスナイプサイトジンクスに通信を送る真矢。 「今のところは何もありませんね」 「そっか、この近くにはいないみたいだな」 と、真矢は視線を横に移動させる。 「アーシェ。そっちは?」 念のためにアーシェにも通信を送る。 「いえ、こっちにも居ませんよ」 通信を返してきたアーシェが首を横に振った。 「どこから来るんでしょうね……」 「さあ、1回戦の時みたく急に出てきて視界を遮って来るかも」 アーシェの言葉に真愛は1回戦の試合を思い出していた。野薔薇学園を倒した見滝原……誰もが予想していなかった勝者に観客は注目している。このまま桜翠学園を倒すのではと……。 「麗香ちゃんの分まで頑張らないとね。いつもの様に戦えると思ってたけど……」 準決勝で毎回争っていたから、きっと今回も準決勝でぶつかると思っていた野薔薇学園が1回戦で敗退。麗香のショックも相当なものだった。 そんな彼女の無念を晴らすべく。真愛はこの戦いに望む。 「そうですね。それと……アーシェちゃんはあかりちゃんとの約束がありますし」
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