コピー
▼本文
数日後、人間界 ヴァルバトーゼ「失礼する。大田、いるか?」 大田「いる、と問われればいると答えよう。さすがに当人が目の前にいるのに「いると思うかね?」と訪ねるのはおかしな話だ」 フェンリッヒ(回りくどい返答を…) ヴァルバトーゼ「まずは土産だ、受け取ってくれ。魔界名産の暗黒ピーナッツだ」 大田「ありがとう。従者ではなく自分で手渡す君の誠実な所は高く評価できる」 フェンリッヒ「なぜ、俺が閣下の従者だと?」 大田「なぜだと思うかね?」 フェンリッヒ「何?」 ヴァルバトーゼ「乗せられるなフェンリッヒ。こいつはこうやって楽しむんだ」 フェンリッヒ「…いい性格してますね」 ヴァルバトーゼ「慣れれば面白いやつなんだがな……慣れるまで数百年かかるが」 大田「それは君がそうだったというだけのことだよ。何事にも個人差というものがある。例えば――」 ヴァルバトーゼ「長話は止めてくれ。俺の用件がまだだ」 大田「おっと、これは失礼したよ。それで、君の用件とは何かな?」 ヴァルバトーゼ「俺が住んでる地獄に、おまえの友達がやってきた」 大田「…そうか」 ヴァルバトーゼ「一応言っておくが、地獄に堕ちたわけではない。別の魔界で生活している」 大田「だろうね。優樹もゲンさんも、地獄に堕ちるようなアヤカシじゃない」 ヴァルバトーゼ「そして俺はおまえとの約束を守った。これからも、あいつらが俺を頼るようなことがあればできる限りのことはしよう」 大田「ありがとう。君を頼って正解だった」
スレッドへ
日間
週間
月間