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「そうだな。なんとしても勝ち進まないとな!」 「い、いいですよ。私なんかの為にそこまでしなくても……!」 慌てた様子でアーシェが言う。確かに約束はしたが、先輩達の手を煩わせるのは良しとしていなかった。 「そういう訳にはいかないよ、私達はチームなんだから、仲間の協力は惜しまないよ」 「そうそう、京子達なら最後まで生き残ってるかもだぜ。あいつはしぶといからな」 「かおるこ先輩。真矢先輩……。ありがとうございます」 かおること真矢は微笑む。その顔を見ていたら、アーシェも不思議な安心感を覚えた。 「まあ、七森と戦うには、まずこの戦いを切り抜けないとね」 真愛だけがドライな発言をする。 「姉ちゃんはファイト中だと本当、性格変わるよな……」 「事実を言ったまでだよ」 「真愛先輩の言った通りですね。まずはこの試合を乗りきらないと……!」 先輩達の励ましにアーシェは闘志を震い立たせた。 「ふふ、その調子だよアーシェちゃん。期待してるからね」 「はい。任せてください」 アーシェは元気よく声を弾ませた。 「まあ、気合い入るのはいいけどな。かおるこ、何か見つけたか?」 「いえ、まだ何も……かなり進んだのに中々遭遇しませんね」 「おかしい……。そろそろ出てきてもいいのに、皆、一先ず止まろう」 真愛の指示のもと全員機体を停止させる。スナイプサイトジンクスは地上へ降りて仲間と合流した。 「不気味だね。何も仕掛けてこないなんて……」 「ああ、もしかしたらどこかに潜んでるのかもな。お前ら、油断するなよ」 「はい!」 「了解しました」 全員で周囲を警戒する。 「ん?」 アーシェが何かに気づいた。 (今、何か動いたような……) 一瞬空間が歪んだように見えた気がした。 何かの間違いかと思ってもう一度その場所を目を凝らして注目すると、空間から突然ビームライフルの銃身が出現する。それを目の当たりにしたアーシェは目を見開いた後に即座へそこに射撃を行った。 「ちっ……」 アーシェクアンタの攻撃に反応して、何もない空間からジェスタコマンドが出現した。
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