コピー
▼本文
熱を帯びた刃は弾丸をも溶かす。勢いを落とさず真っ直ぐに剛練へと向かっていく。 「へへっ……」 杏子は笑った。 「当たるかよっ!」 「なっ!」 刃の先端が剛練の頭部にに触れようとした瞬間。身体を横へと傾けて回避する。 ヒートテイルブレードが横を通過していくのを見計らって、剛練がグフビーストに接近して槍を突き出す。 真矢は咄嗟に回避するが、右肩の装甲に直撃を受けてしまい。肩のパーツの一部が吹き飛んでしまった。 「こいつっ!」 グフビーストが爪を振り下ろす。だが、剛練はその攻撃を瞬時に後退して逃れる。 「もらった!」 避けられはしたが、ヒートテイルブレードを操作して、その直線上に剛練の背中を捉えた。 「残念でした」 またもや攻撃を避けられてしまう。自分の武器がこちらに迫ってきた。 「マジかよっ!?」 グフビーストを直線上から退避させる。ヒートテイルブレードを避けたところで引き戻した。 一歩間違えれば直撃を受けてやられていたかもしれない。そう思うと身体中から汗浮きがってくる。 「2回も避けた。まぐれ……じゃないよな」 「当たり前でしょ。さっきの1回戦で言ったけど、うちらは他チームの戦闘パターンを頭に叩き込んでるんだ。当然、あんたの弱点も知ってるぜ」 「へえ、その弱点てのは……?」 「あんたはヒートテイルブレードを使う時、機体の動きが止まるんだよ。それも仕方ないよな。それは扱いにくい武器だ……機体を動かしながらじゃ動かすなんて無理だもんな」 モニタに映るグフビーストに指を突き付け、杏子は言った。更にその先を付け加える。 「それに、あんたはその弱点を補う為に姉と組んで戦ってる。砲撃特化の機体が側にいればその弱点を補ってくれるもんな」 「……よく調べたもんだな」 杏子の言葉に感心する真矢。彼女の言った事は全て本当の事だ。ヒートテイルブレードは扱いにくい武器で機体と同時には動かせない。 その弱点を知った上で孤立させてきたのだ。
スレッドへ
日間
週間
月間