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「はぁ……」 大きく息を吐く。それと同時にグフビーストのモノアイも元の色に発光する。 ビーストモードシステムの終了を知らせる合図だ。右手を引き抜くと先程まで剛練だった鉄塊が地面に沈む。 「まさかビーストモードを使う羽目になるとはな……。恐れいったぜ」 額の汗を拭い。彼方の空へ視線を向ける。 「今回の見滝原はガチで強い。皆……気を付けろよ」 ◇ 緑が生い茂る森林の中をスナイプサイトジンクスがゆっくりと進行する。 (どこにいるのかな……) かおるこは周囲を警戒していた。自分をここへ連れてきた相手はわかっていた。暁美ほむら。ジェスタコマンドのパイロットである。 「……相手は鹿苑寺かおるこ。強敵ね」 ほむらの方ではかおるこの居場所を特定していた。影に身を潜めて相手が射程に入るのを待っている。 「相手が誰だろうと敗けはしない。まどかの為にも勝利を掴み取る」 ここにはいない親友の顔を思い浮かべる。ここで勝ったら彼女はどんな言葉をかけてくれるのかを想像してみた。自然と口許が緩んでしまう。 「ふふふふふ……あの子の事だから、きっと喜んでくれるに違いない」 ほむらは不気味に笑う。他の人が見たら通報されそうなくらいの表情をしていた。 「ん、来た」 表情をすぐに真剣な物へと変える。射程距離にスナイプサイトジンクスを捉えたからだ。 「目標補足。あなたには悪いけど……倒させてもらうわ」 静かに言って引き金を引いた。長い銃身から粒子が撃ち出された。それは木々の間を通過していく。 「っ!?」 身の危険を感じたかおるこはその場から離れる。その数秒後に粒子が飛んで来る。 スナイプサイトジンクスは弾丸を避ける。背後にあった木に直撃して木々が大きく倒れた。 「今の………向こうにいるみたいね」
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