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だが、息を止めていたのが長かったのか解放されたのにも関わらずあかりは真横へと倒れ込んでしまう。 「っ! 危ない!」 地面に頭が激突する前に京子があかりの身体を抱き止める。 「おい! しっかりしろあかり! おいってば!」 京子はあかりの頬を軽く叩く。それでも唸るばかりで目を回したっきり反応を示さない。 「ごめん。お母さんに連絡するからしばらくあかりを見ててくれる」 「わかりました!」 結衣が返答するとあかねは少し離れて携帯を取り出して自宅に連絡を入れた。 この時あかりの意識はまだ少しあったのだが、徐々に視界が黒くなっていき最終的に意識と視界の両方が真っ黒に染まっていったのだった。 ◇ ここはどこだろう。見渡す限り暗闇が支配する何もない空間。自分は今その何もない空間に漂っているのを感じていた。 けれど……誰かが自分の名前を呼んでいる。目を開けなくては、そう思った途端。暗闇の中に一筋の光が灯り周囲を照らしていく。
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