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「驚いたぁ。歳納さん気づいとったんやね」 「話した事はないけど、学校で何度か見かけたし。あれだけ有名人なら雰囲気だけでわかるって」 「へえ、あの子土間さんだったんだ」 結衣の口振りからして彼女だけUの正体を知らなかったようだ。 「何で仮面してるんだろう。素顔を知られたくない理由でもあるのかな」 「さあ、なんとなくだけどあかりは知ってるんじゃない」 「何でそんなことが言えるのよ?」 京子がさらりと言った発言に綾乃は首を捻った。 「あかりとうま……Uちゃんが二人でしばらくどっか行って戻ってきた時から二人の間に変化があったから、そんときに何かあったのかなーって」 本名を言いそうになってすぐさま訂正する京子。もう一度カレーを一口運び咀嚼してから飲み干すと話の続きをした。 「あかりに素顔を隠してる秘密を打ち明けたんだとしたら、少しはUちゃん気が楽になってんじゃないのかな……わたしがそうだったようにね」 後半は声量を小さくして言う。京子があかりに秘密を打ち明けて救われたように……うまるも打ち明けて救われるに違いないと京子は確信する。 「ところでさ、綾乃は何を買ったの?」
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