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VAVA「あいつの過去など、知ったことか」 アイラの父「な――」 VAVA「書けたぞ。これでいいのか?」 アイラの父「え。あ、はい。預金通帳を持ってきますので、少々お待ちください」 VAVA「わかった」 あいつの過去も、あいつがディグアウターを目指す理由も、俺にはどうでもいいことだ。 だが、子を心配する親の気持ちはわからんでもない。ケイン博士も、自分の作品たちのことを、とても気にかけていたからな。 …実を言うと、俺は俺の開発者を知らない。最初はケイン博士かと思ったが、ケイン博士なら俺の電子頭脳に異常があるまま放置するはずが無いしな。 だとすれば誰が俺を造ったのかということになるが、それは考えても意味のないことだ。俺はそのことを今日まで気にせずにいる。 アイラの父「お待たせしました。どうぞ」 VAVA「ああ。邪魔したな」 通帳を受け取ると、俺は銀行から去ろうとして、アイラの父に背を向ける。 アイラの父「あ、あのっ!」 アイラの父「娘を、よろしくお願いします…!」 VAVA「……」 俺は無言のまま、銀行から立ち去った。
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