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さやか「何で…」 さやか「何でだよ! 何で落ち着いてるんだよ!」 さやか「家族をさらって、生け贄なんかにしようとしたんだろ!? 倒せばよかったのに!」 杏子「そんなことしたら、祟りで見滝原が滅びるぞ。土地神を失った土地は必ずそうなる」 杏子「…あのな、100%人間に都合のいい神様なんていないんだよ。少なくともこの国には」 杏子「日本の神様には、和と荒という二面性がある。和は人間に対して優しい性格。雨や日光の恵みとか、神様の優しくて平和的な部分」 杏子「荒は神様の怒りで、人の心を荒廃させて争いへ駆り立てる神様の働き」 杏子「だけど、荒の性格が悪いわけじゃない。むしろ荒こそが神様の本当の力。荒を祀る事で、悪い面から人々を守る事に繋がるんだ」 杏子「人に御利益をもたらすだけが神様じゃない。人間に災禍をもたらす荒魂の側面もあって、むしろそっちの方が本質的で重要なんだ。その二面性を理解しないで『こいつは邪悪だ』と決め付けるのは間違いなんだよ」 杏子「神様は――」 ハル「祈りを捧げる人間が、何を考えているかによって変わる」 まどか「ハルちゃん?」 杏子「やっぱり、コトワリさまもそうだったんだな?」 ハル「うん」 ハル「コトワリさまの神社はゴミだらけで、ときどき歪んだお願いをされるだけの存在になってた」 『暴力を振るう彼と別れたい。そして不幸になりますように。もういやだ』 『父親との縁が切れますように。そして2度と顔を合わせたくない。もういやだ』 『あいつがいなくなりますように。死ね死ね死ね死ね死ね死ね。もういやだ』 ハル「かわいそう。こんな扱いをされたら、わたしだってうんざりする。そう思った」
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