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あの日何もしてやれなくてごめんな だからって3年も電話もラインも無視すんな 既読くらいはつけてくれてもいいじゃん あと趣味の悪いドッキリは辞めてくれ 会場まで貸し切って友達みんなハメたのかよ、 ひどいなお前、ふざけんなよー笑 アイツらも思い切り泣いてたぞ お前の彼女だって物凄く泣いてたぞ でも良いか もうお前と何故か会えないと思ってたけど 昨日いつもの駅で会えて良かったよ ちょっとしか話せなかったな いっぱい話すことあったのに いつもと同じ別れ方 「またラインしてな」って俺が言ったら 「おう!お前もなんかあったら言えよ」 ってお前が言う 実は昨日別れた後、ふと心の奥にあったナニかを思い出して と同時に嫌な予感がしてお前を追いかけたけど見つからなかったんだ だけどお前も元気そうだったし近いうち久々に飲みに行くか! 俺が奢るよ 今はちゃんと働いて嫁も子供もいるんだよ それは昨日言ったか 「嫁と子供は大事にしろよ」って言ってくれてありがとうな、頑張るよ 逆にお前は3年経っても変わってなくて安心したよ ゴメンな…あの時のままだよな… 『時』が平等に流れるのは俺達だけでお前はそうじゃないか だから同じ『時』を過ごせないんだよな ゴメンな 本当にゴメンな 飲みに行くのはあと何十年後になるかな… あの日だってそんなには深く考えてなかったんだ 暇だからと急に俺を呼んだいつもの居酒屋に 仕事をサボるなんてあり得ないくらい 真面目なお前がそこまでした理由や意味とか 確か大好きな彼女と上手く言ってないとか言ってたな 「俺は彼女なんかずっといねえわ」と返して飲み干したサワー 俺とは対照的で何でもできるお前の悩みなんてちっぽけだと思ってた 店を出て夜空の下で他愛もない話 気づけば時間も流れ 駅で俺が「またラインしてな」 お前が「おう!お前もなんかあったら言えよ」 またお前とすぐに会えると思ってた だって「スッキリしたよ。ありがとう。」ってラインでも言ってくれたじゃんか 「別れたらナンパでもしに行こう」って言ってくれたじゃんか 2人で考えた小さい未来のストーリー それを俺は鵜呑みにして楽しみに もっとお前を理解してれば… もっとお前と向き合ってやれば… せめてあの日の晩、一緒にいてやれば… せめてあの日の晩、もっと語り合ってやれば… 次の日の早朝なんかに 1人背負った苦しみの縄を素の自分の首にかける事はなかったよな… いつも頼ってばっかでいざと言う時に何も 力になってやれなかった俺を許してくれるか? お通夜でも実感が湧かずただ不思議と虚無の塊で満たされた俺に お前の親御さんは優しい言葉をかけてくれたんだよ 「息子の分まで沢山幸せになってください、きっと天国でもそう言ってます」 ずっとその言葉、忘れちゃいないよ 背中に刻まれた女神と共にお前の身体が骨だけになろうとずっとずっと脳裏に焼き付いたまま。 だから昨日、何もなかったかのように顔を見せてくれたのか? でも実はほんとは全部気づいていたけど お前との空間に浸らずにはいられなかったんだよ 「生きてて良かった」そう思い込みたかったんだ だってそうすれば少し前を向ける気がしてたんだ そんな時もお前なら「しっかりしろよ!」ってそう言うよな けど俺はずっと立ち直れそうにないしまだまだ変われないや なぁ、いつか俺がそっちに行ったらまた遊んでくれるか? それがいつになるか分からないし待ち切れないんだ だから近いうちに乾杯しようぜ もうすぐ命日だな お前の好きな酒持ってお前の眠ってる所にいくからよ 遺言代わりと言っちゃ変か? 最後に言ってくれた言葉を大事にしまっておくよ じゃあな今日も朝早くから仕事だから行ってくるわ! 隣で寝ている嫁と子供にこっそりキスをして家を出た2021.9.9 AM 6:00
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