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「あははははは! 残念だったねぇ、向日葵ぃ〜」 向日葵が悔しがる一方。櫻子は大層愉快に笑っていた。 「これで生徒会長の座はわたしのもんだね!」 試合前に向日葵と交わしたどちらか勝った方が生徒会長になるという約束。 それを自分の手で勝ち取ったのだからこれほど気分のいいものはなかった。 「生徒会長の座……?」 櫻子の発した発言に綾乃は首を傾げた。千歳も気になる様子で櫻子を見る。 二人の視線に気づくと櫻子は気分よく鼻を鳴らす。 「試合前に言ったんですよ。どっちか勝った方が次の生徒会長になるって、わたしが勝ったからわたしが生徒会長なんですよ」 「いや、もう決まっとるで?」 「「え?」」 千歳の何気ない一言に櫻子は目を丸くする。向日葵も同様に……。 「え、え……マジですか?」 「うん。せやったろ?」 「ええ。私と千歳で決めさせてもらったわ。というかあなた達……ガンプラファイトで生徒会長が決まるわけがないでしょ」 「ぐっ……」 綾乃の正論に櫻子の頬に汗が伝う。確かにごもっともだった。何も言い返せない。 「で、では……わたくしと櫻子のどちらが生徒会長なんですの?」 「……それは」 と、綾乃は千歳に視線を送る。千歳はその視線に気づくと微笑を浮かべた。
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