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【第5章-1 中立民】 『...きて、起きて!朝倉!』 叫ぶような声が聞こえたかのように思えた次の瞬間、ゴスッ...鈍い音がしたかのように思えたが、何故か地味に痛く、痛むところを抑えながら起き上がる 紫苑『ってぇー...誰だよ...』 眠たい中、そう言って起き上がると目の前には見覚えのある少女が立っていた 紫苑『お前かよ...全く、起こし方いつも雑だよな...』 輪廻『しょうがないでしょ、呼んでも起きない君が悪い。もう朝だよ。』 どうやらそれ程までに熟睡してたらしい、空を見渡すと青い空があり 紫苑『どんだけ寝てたんだ俺は...さて、行くぞ...』 重い体をなんとか起こし、立ち上がるとヒュッ、右頬を掠めたような感覚とともに、背後の木にビィィィン...音を立てて刺さっている矢があり、頬からはタラッ...と血が滲み出てて、それは彼を怒らせるには十分な程であった 紫苑『誰だ...俺に矢を向ける奴は...』 腰に下げている大剣を肩手に持ちながらそう言い、矢が飛んできた方を見ると1人の人間がいて ???『お前は誰だ、名を名乗れ。』 紫苑『チッ、上から目線かよ...まぁいい、俺は紫苑。ジャポランド出身の朝倉紫苑だ。』 態度がでかそうな目の前の人間に渋々と自分の出身と名を伝えると、目の前の人間は弓矢をしまった。それを見た俺も、腰に大剣をしまって。 ???『私は白兎、黒木白兎。出身は、知らん。何処で生まれたかも忘れた。』 紫苑『は、はぁ...』 近づく相手を見るなり、少し戸惑う。それもそのはず、髪は長く女のような顔つき、赤いジャケットにズボンといった感じでパッと見女と思うも、明らかに口調が男っぽい。そこで俺は彼(?)の出身と名を聞いた後にこう聞いてみた。 紫苑『お前は...女か?』 白兎『私は男だ。髪は長いが、切るのが嫌いでこうしてるだけだ。』 彼は男ときっぱり答えた。 白兎『紫苑はジャポランド出身と言ったな。何故こんな所にいるんだい?ここはもうレッグランド領、ジャポランド出身のものがこんな所にいたら切り殺されてるぞ?』 彼は続け様に淡々と話す。そしてここがもうレッグランド領だとわかったのと同時に彼の言葉に引っかかるものがあった。
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